南部炭染とは?

「南部炭染〈なんぶすみぞめ〉」は、
木炭が原料の炭液で染めあげたオリジナル製法から生まれたブランドです。
薄炭はくつろぎ色、濃炭はやすらぎ色に染まりました。
日本一の炭の里から、心地よい炭色効果をくらしにお届け致します。

環境にやさしく、人に暖かい炭の特性をひとつひとつ染め込んだ南部炭染は、
岩手発の新ブランドとして注目を集めています。

  • 2006年 第35回 躍進いわての産業まつり特産品コンクール「岩手県市長会会長賞」受賞
  • 2007年 第36回 躍進いわての産業まつり特産品コンクール 「岩手県知事賞」受賞
  • 商標登録第5030944号

南部炭染の成り立ち

「南部炭染」は、岩手県が木炭生産量日本一であることから、生産時の副産物である粉炭を再利用した染料、技法を当社独自に開発し、2006年に発表しました。2007年より南部炭染として商品化、販売が開始されました。約3年の開発期間を要しています。
広葉樹林に恵まれた岩手県は、黒炭向きのナラの木が豊富にあり、江戸時代には、北上山地で盛んに行われた製鉄に炭が使われていました。1890年に東北本線が盛岡まで開通すると、県外にも出荷されるようになり、1937年度から生産量全国一(1999年度を除く)の座を守っています。
岩手木炭は、黒炭が中心で、火力が強く、炭素の比率も輸入品より30ポイントほど高い90%前後で質も日本一です。その秘密は品質向上のために県内の技術者を集め完成させた『岩手窯(土窯)』にあります。熱がむらなく窯の中を循環するように工夫され、約200時間かけた職人の技と知恵が詰まった岩手窯のなかで、高品質の木炭の生産が可能になりました。
黒炭は、物質の吸着、調湿能力に即効性があるので空気清浄、消臭、住宅の床下調湿などの用途に優れた効果があります。ただ白炭にくらべ、軟らかいので粉がこぼれ、周りを汚しやすい傾向があるといわれてきました。そこでこの木炭くずを利用した炭染めを考案しました。

最近では、炭の持つ特性が暮らしと健康に良いとされ、様々なアイテムが販売されています。木炭は吸着・消臭・防カビ・防虫の他にも、水を浄化したり、様々な優れた効果を発揮しています。効果は半永久的に持続しますし、土に戻せば土壌改善にも役立つ優れものです。
地域資源を利用し、地域の人によって染められた新しい染め物で、岩手だけではなく、日本のエコロジー思想を実感できる商品として注目を集めています。
現在は、衣類だけでなく、インテリア製品や「染め直し」など、新たな環境製品へ向けて日々研究中です。

南部炭染 シルクストールくもの糸

天然の消臭効果が証明されました。

[2011年6月 一般財団法人カケンテストセンター調べ]

●消臭効果(汗の臭いの代表的な成分について) 98%以上
南部炭染くつ下「ゆびっくす」で実験しました。
10回以上の洗っても効果は持続します。

●遮光率 99%以上
南部炭染カーテン生地で検査しました。

UVカット率(紫外線遮蔽率) 89%以上!
南部炭染アームカバーで検査しました。

自然のグレーの色合いは、落ち着きのある上品な印象です。

南部炭染で特筆すべきは、光による色の変化です。
木炭の細かい粉末が付着していることにより、光の変化でダイアモンドのようにキラッと光ったり、外光に照らされたとき、室内ではグレーであった色が、時には青く、時には紫色のように光ります。
この現象は「墨染」といわれる墨汁(松のすす『松煙染』で練った材料による染め)よりも、木炭の粒子が粗いため起こる現象と考えられます。
とがった粒子状の木炭がそのまま付着しているからです。
木炭のやわらかい、優しいグレーが、日本人の肌色や生活シーンにとても似合い、上品で落ち着きのある印象を与えます。

木炭の保温効果、防湿、抗菌といった効果も期待できます。
南部炭染は何度も水洗いを繰り返しているので、色落ちはほとんどありません。
洗い方は、手洗いをおすすめします。
※ストール類などデリケートな素材のものは手洗いでお願い致します。
木炭の色が薄くなりましたら、後染めのオーダーも承ります。